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【interview】イラストレーター 北原明日香さん

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これからを担う若手作家のクリエイティブ活動を応援したい。
そんな思いから生まれた、作家と伊東屋のコラボレーショングッズ。
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その第1弾「北原明日香×伊東屋」のイベント開催に伴い、イラストレーター・北原明日香さんにお話をお伺いしました。
イラストに込められた想いや実際に制作されるときの流れ、伊東屋との思い出など。
春の日差しのように朗らかな笑顔と共に語ってくださいました。

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<プロフィール>
北海道出身、東京都在住。
北海道教育大学美術科卒業。セツ・モードセミナー卒業。
イラストレーターとして装画や挿絵を中心に活動。
著作に『ハローグッバイ』(文:松浦弥太郎  岩崎書店)『えほん遠野物語 かっぱ』(文:京極夏彦  汐文社)ほか。
装画に『置かれた場所で咲きなさい』(渡辺和子 著 幻冬舎)など。

■まずはじめに、イラストレーターを志したきっかけを教えてください。
子どものころから絵を描くのが好きでした。それで美術系の大学を出てから教職に就いたのですが、やはり自分の絵で仕事がしたいという気持ちが強くて...。
派遣社員として働きながら、イラストの夜間学校へ通い、自分から売り込みを始めたって感じですね。
その時の勤め先が銀座だったんですけど、伊東屋さんの上って昔ギャラリーでしたよね?画材を買いに来たり、ギャラリーの展示を見に来たりしていたので、思い出の地です。

■イラストのモチーフについて教えてください。
子どものイラストを描き始めたのは、子どもが生まれてからですね。それまで、仕事として人物を書くことは何度もあったんですけど、自分のオリジナルの作品として描くというのはあまりやってこなかったんです。でも、子どもと生活する中でこの瞬間を描きたいなっていうのがどんどんたまっていって...。
そこから、植物や静物だけじゃなく人物も、と仕事の幅が広がりましたし、描ける世界も広がったなと思っています。

■では、インスピレーションが生まれる瞬間もお子様と一緒の時が多いんですか?
そうですね。自分の子を描こうと思っているわけではないんですけど、アイディアをいろいろ描いていくうちに、どうしても自然に「お姉ちゃんと弟」と自分の子の組み合わせになっていくという...。子どもたちのおかげで描けている絵がたくさんあると思います。

■そうすると、絵の中の子どもたちもお子様と一緒に成長していくかも...?
それ、本当に言われていて笑
そのうちティーンエイジャーも描けるようになってくるかもですね笑

■これまでの作品の中で、特に思い入れが強い作品はありますか?
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子どものシリーズ(画像:左)はやはり子どもが生まれてから初めて人物のオリジナルに挑戦したので、すごく思い入れが強いです。
あと、『置かれた場所で咲きなさい』(渡辺和子 著 幻冬舎)の表紙(画像:右)も、沢山の人に見てもらい植物シリーズを描くきっかけになった絵なので、思い入れとしては強いですね。

■制作時の1日の流れについて教えてください。
子どもたちの生活に合わせてなので、朝に保育園へ送ったあと仕事場へ行き、午前中にある程度終わらせるのが理想ですね。
若い頃は徹夜型だったんですけど、今では日中の方が集中できます。
日中の描く時間にまとまらなかったものは、そのあとご飯を作っているときや、お風呂に入っている時に、「あ、あれはこうしたらよかったんじゃないかな」って思いつくこともあります。絵を描いているといくらでも考え続けてしまうことがあるので、描く時間と描かない時間、そのメリハリがつくことによってちゃんと絵が完成する気がします。

■お仕事道具を見せていただけますか?
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制作の流れてとしては、鉛筆でラフを描き形が決まったら上に画用紙をのせ、トレースで下絵をなぞるようにしてアクリル絵の具で描いています。
ラフを描くときは絶対に三菱の芯ホルダーです。それと一緒に芯削り器も。芯を入れてくるっと回すだけでとがるのと、ちっちゃいのでペンケースに入って便利です。
あとは、プラマン。太さが好きです。ボールペンはジェットストリーム派。ラフまではいかないアイディア出しの時は、A5のノートです。
特にこのノートと決めているのはなくて、A5で何かって感じですね。すごくざっくりしたものをこういうノートに描いてから、コピー用紙とかに何回も直しながら描き、決まったものを絵具でトレースします。

■今回の伊東屋とのコラボレーションについて、はじめて聞いたときのお気持ちは...。
びっくりしましたけど、すごく嬉しくて「ぜひやらせてください」と。
表通りでずっと見ていた伊東屋のロゴと、自分のイラストが一緒にのることに嬉しさがあります。

■グッズ製作にあたり、大変に感じたことや面白いと感じたことはありますか?
普段の仕事ではイラストを描いたあとは編集さんやデザイナーさんにお任せすることが多いので、入稿するデータまで作るというのは初めてでした。
絵の配置を考えたり、illustraterの形式にしてみたり...。何度もやり取りを重ね、普段は考えないところまで考えて作るのがすごく楽しかったです。

■特にこだわりのある商品はありますか?
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全部!笑
でも、マグカップはイベントが開催される春に合わせてラフから書き起こしたので、すごく可愛く出来上がって嬉しいです。マグカップのサイズに合わせて今回書き下ろしたものなんですが、それをお皿にもしていただいて。いいものができたなと思います。
風呂敷にしても、どういう風に絵柄が出るとか、こんなに大きくなったらどうなるんだろうとか、一緒に考えていただけたのですごく楽しかったです。この絵柄がいいんじゃないですか?とかアイディアもいただけたのですごく安心して取り組めました。

■最後に。今後チャレンジしていきたいことや目標があれば、ぜひ教えてください。
今回グッズを作らせていただき、絵がモノになるのって面白いなと改めて思ったので、そういう展開を今後もしていけたらいいなと。あとは、絵だけでなくそれにストーリーがあるものとか...。
絵本やこういうグッズになるものにキャラクター性やストーリー性が加わった世界を、ちょっとずつ作っていけたらいいなと考えています。