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飽きずに飾れるポスターを

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[2月10日より「パーカー51」の発売を記念し、G.Itoyaにて販売を開始した限定ポスター。イラストを手がけたのは伊東屋の代表取締役社長兼デザイナー、伊藤明です。
今回はポスターをデザインするに至ったきっかけ、デザインにかける想いをお伝えします。


-以前から伊東屋では幾つかの店舗でオリジナルポスターの販売を行っていましたね。
ポスターを作ろう、と思ったきっかけとはなんだったのでしょうか?
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随分前になりますが、あるアメリカ見本市で販売用のポスターを目にしたのがきっかけです。
そこのポスターは家に飾りたくなるような一見普通にカッコいいポスターなのですが、結婚式やお誕生日などの日付が入っているんです。結婚の記念だったら2人の名前を入れたり、その人にあわせて髪や肌の色を選べたりできるカスタマイズできるポスターだったのです。
そういう大切な記念日を自分の部屋に素敵に飾れるポスターが欲しい!仕入れよう!と思ったんですが、ポスターのモチーフがアメリカのビーチや都市である点が気になりました。せっかくなら、アイディアはそのままに、ビーチだったら湘南や白浜じゃないですけど、日本に合わせたものが欲しいと思いポスターのデザインを描きはじめました。

-なるほど、そうして記念日や名前を入れられる「マイポスター」のサービスが生まれたんですね。
20210210_myposter_02.jpg

そうです。最初は子ども部屋に飾るものとしてお菓子や犬をモチーフに検討していたんですが、やるからには伊東屋らしいものにしようということで、伊東屋のペンがモチーフに選ばれました。

―ポスターをデザインする上で意識していることはありますか?
ちょっとレトロに、あたかもシルクスクリーンで印刷したようなデザインを意識しています。
細かく描きこんで、色をたくさん使うと「ただ絵を印刷しただけ」の広告っぽくなって、すぐ飽きちゃうと思うんです。だから家に飾っていても飽きないことを一番に考え、モチーフはデフォルメし、色数は5~6色にとどめるように描いてます。
シルクスクリーンって、1色ずつ色をのせて刷るでしょう?
だから「はじめにこの色、次にこの色」と実際に刷るところを想定して、シルクの版でも作れるようにデザインを考えています。
今回の「パーカー51」のポスターも基本的には同じことを意識して作りました。
ただ主役のペンの部分だけはグラデーションや立体感をリアルに描きこみました。他のシンプルな部分との差別化がしたかったんです。
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でもどんなデザインにしても、一番は飾った時に飽きないことですね。

-なるほど。では「パーカー51」のお話が出たので今度はそちらのお話を。
これまでと違い、初のコラボレーションデザインとなりましたが、それにあたり注意したことはありますか?
見た人が「パーカー51」だとすぐにわかる様に特長を忠実に再現しながら、ただの写真にならないようにデフォルメすることですね。メーカーさんからお借りしたサンプルをいろんな角度から見て研究しました。

―今回のポスターは「パーカー51」のペンに合わせて6色デザインされましたね。
伊藤社長のお気に入りカラーをおうかがいしても...?
20210210_myposter_04.jpg

「パーカー51 プレミアム」のブラックの軸に、ゴールドカラーのキャップのデザインが一番気に入っています。(写真左、右はラフデザイン)
うん、一番よく描けてる(笑)
この金のキャップの部分はラインに合わせて凹凸が施されているでしょう?だから、歯車のようにでこぼこした輪っかをいくつも描いて並べ、線と線を繋ぎ合わせて陰影の入り方もそれらしくなるように再現したんです。

-え、そうなんですか!てっきり線で模様をつけたものだと...。
イラストだけ見るとそう思うよね。たぶん目で見えている部分の20倍は描いています。そこから余分なものは引いて、引いて、今のデザインになりました。

-すごい...大変勉強になりました。では、最後に。
3月には「パーカー51」発売イベントを控えているパーカーですが、パーカーのペンで伊藤社長のお気に入りを教えてください。

1本目は、「パーカー75」です。実は一番欲しいペンでもあります。
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シズレパターンが有名なペンですが、これはペン先の仕掛けがすごい。ペン先部分が回せるようになっていて、三角のグリップに合わせてペンを持ち、紙にのせた時に一番書きやすい角度になるよう調整できるんです。それから天冠。天冠の部分にアルファベットを2つ、イニシャルをはめ込める仕掛けになっていたそうです。アメリカのモダンな雰囲気が素敵なので、復活して欲しいです。

2本目も今はないペンですが、「バキューマティック」ですね。
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なかを一度真空にすることで一気にインクが吸い上げられる構造になっているペンです。このペンは、セルロイドの見た目が非常に美しいんですが、このセルロイドの継ぎ目がわからないよう加工されているところもすごいです。
どちらも、誰もがアメリカの先進的な技術に憧れていた時代に生まれた、革新的なデザインとメカニズムを持つペンですね。


初期デザインのイラストや参考にした資料、ペン。
デザインに関わった様々なものとともに語られた、ポスター誕生のストーリー。
今回ご紹介した「パーカー51」のポスターは2月10日(水)にG.Itoya 3階にて、ティールブルーを先行販売。
その後、3月18日(木)~3月21日(日)の4日間、G.Itoya10階 HandShake Loungeにて開催される「パーカー51」発売記念イベント ~継承と進化~にて、全6色を販売します。
オンラインストアと横浜元町店ではイベント終了後もご購入できます

<イベント情報>
「パーカー51」発売イベント ~継承と進化~
期間:3月18日(木)~3月21日(日)
会場:G.Itoya 10階 HandShake Lounge
入場料無料