「引き出し」は好きなもの、こだわりのもの、自分だけのとっておきが詰まった特別なスペース、"自分だけの世界"。
そんな、特別な場所-引き出し-の中に加えたくなるようなとっておきのペンを、様々なテーマから集めてご紹介します。
紹介してくれるのは、伊東屋の中でも「ペン好きさん」として有名な、銀座 伊東屋 横浜元町・筆記具売り場のスタッフTさん。
連載3回目となる今回は、「用途で使い分けるお仕事ペン」がテーマです。
ink:パイロット「アクロインキ ブラック F(細字)」
就職や転勤など、環境が大きく変わる方も多い季節です。お仕事のモチベーションを上げてくれるようなちょっと良い筆記具、特にボールペンを探しているという方が多いのではないでしょうか。
お店にいると私の胸ポケットにボールペンが3本刺さっているのを見て、「それって使い分けたりしているのですか?」と聞かれることがあります。
シーンごとに使いやすいものが異なるので使い分けをしているのですが、用途別に使うボールペンを変えることは、初めて筆記具売り場にお越しになるお客様からするとちょっと不思議で、面白いことのようです。
そんな事を思い出しつつ、今回は選ぶ時のポイントをお話ししながら用途別におすすめのボールペンをご紹介していきたいと思います。
急いでメモを取りたい時、思わず手に取るのは少し軽い素材のノック式のボールペン…
私がいつも愛用しているカランダッシュ「849」のボールペンはそんなシーンで活躍してくれています。度々登場しているカランダッシュのボールペンですが、本当に使いやすいので何度でもご紹介してしまいます。
849は前々回ご紹介したエクリドールと同じ形をしていますが、より軽くカラフルな軸なので気軽に楽しく使えるシリーズです。
ちなみに私は仕事中「クラシックライン」の赤軸に赤芯を入れて使っています。
黒だけでなく赤、青、緑に加え、新たにバイオレットやターコイズも追加されました。※M(中字)のみ
インクの色がこんなに豊富な単色ボールペンは珍しいです!
※リフィル(替芯)はこちら
先日新たに伊東屋限定カラー「橙色」が発売されました。パッと気持ちが明るくなるようなオレンジ軸に伊東屋ロゴが入っています。
限定品が度々出るので、もう私の家の引き出しは849で溢れています。
849シリーズは替え芯の初期設定がF(細字)でメモ用に使いやすいのもポイントです。※伊東屋オリジナルはM、新しく発売された橙色のみF
もう一つご紹介したい「ブリュットロゼ」は、お仕事シーンでも使いやすい色味も上品なモデル。おすすめポイントはボディのマットでざらっとした質感のおかげで、ハンドクリームを塗ったあとに使っても指紋でベタベタしないという点。
この849シリーズはポップなデザインもあればシックなデザインもあり、コレクションしやすい価格でもあるので、シーンや気分によって持つペンを変えて使うのもおすすめです!
一息ついて、誰かに読んでもらう共有メモなどを書く際などに使いたいのは、軸にある程度太さがあって少し重さがあるボールペン…
私が愛用しているのはウォーターマンの「カレンDX」シルバー&BKGTです。
クラシカルなデザインが好きなのでこの色の配色・ペンの雰囲気にビビビっと来て購入したのですが、結構軸も太いので女性が持つには意外に思われたりもしました。それでも実際に使ってみるととても使い心地が良く、気に入っています。
一見軸が太くて重いペンは疲れそうに見えますが、ある程度軸に太さがあると文字をたくさん書いているうちにどんどん力が入りペンを握り込んでしまって疲れる、なんてことが起きずにゆったりと持てます。さらにこの程よい重量感が心地よく、自分の力をさほど入れなくてもペンの重さを使って書けるような感覚がわたしは好きなんですよね。この感覚、是非一度味わっていただきたいです。
前回の記事のカランダッシュの「レマン」をご紹介した際もお話ししましたが、ペンの重さでボールチップの回転が良くなり、書き心地の滑らかさもアップしてくれるので良いことづくし!です。
(>前回の記事はこちら)
カレンDXなら、新作で期間限定生産モデルの「メイドインフランスコレクション」もウォーターマンらしく、美しく洗練されたデザインでおすすめです。
お客様にお渡しするボールペンを選ぶ際に意識したいのが、自分だけでなく様々な方が使用するということ。出来るだけ多くの方にとって持ちやすく、書きやすいと感じるものを選べたらベストですよね。なので、軸が極端に細かったり太かったりするものは避けるのがベターだと思います。
こちらのパイロットの「カスタムヘリテイジSE」の軸は太すぎず細すぎず。
インクはアクロインキという低粘度油性を使用しており、非常に滑らかで発色も綺麗なインクなので筆圧が低めな方でも書きやすいです。
ボールペンの字幅の初期設定は0.7mm。細かな記入もしやすく、書類の記入用にペンをお渡しする方にもおすすめです。0.7mmと聞くと太く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、事務用のボールペンの0.7mmよりも細く書けます。
なので、字幅の太さを心配されるほとんどの方が店頭で実際お試しいただくと、「思ったより細く書ける!」と安心してくださっています。それでももっと細くしたいという方は別売りで0.5mmの替え芯もありますし、サインのみの使用で、もっと字幅を太くされたいという方は、1.0mmもあるので切り替えてみてくださいね。(>リフィル(替芯)はこちら)
もちろんデザインも素敵です。パール感のあるマーブル模様なので華やかさや特別感もありますが、色味のトーンは落ち着いているので様々なお仕事の方に使っていいただけるのではないでしょうか。
たとえば病院や学校勤務の方は、カルテや日誌などを日々細かく文字で記録される方も多いのではないでしょうか。また、私が病院に行った際や学生時代の先生を思い返すと、何か説明をしていただく時には複数色のボールペンを使ってわかりやすくお話ししてもらったりしました。
そんなシーンが多いからか、先生方は多機能ペンの所持率が高い気がします。
多機能ペンというのは2色のボールペンとシャープペンシル搭載など、1本で複数機能を楽しめる便利な筆記具のことです。
その多機能ペンでおすすめなのが、パイロットの「リッジ4+1」です。
こちらは黒・青・赤・緑の4色のボールペン+シャープペンシルの5機能搭載!たくさんの色を使いたい方も、1本で5本分持ち運べるのでとても便利ですよね。ちなみに、頭のキャップのネジを回すと消しゴムまで出てきます。
他の多機能ペンと比べると比較的軸に太さがありますが、太すぎるということはなく、「持ちやすい」と言われる方が多いサイズです。そしてボールペンのインクはサイン用のペンのところでもご紹介したアクロインキなので、滑らかにくっきりと筆記できます。
もう一つご紹介するのが、パーカーの「ソネットオリジナルマルチ」です。
一見、多機能ペン感のないスマートな軸で程よいクラシック感が素敵なモデルです。こちらは2色のボールペンとシャープペンシルの3機能搭載。こちらにも消しゴムがついています。
ちなみに私はレッドゴールド(上画像)が好みです。赤って色味で印象が大きく変わるので難しい色だと思っているのですが、こちらはトーンが絶妙で年代問わず持てる赤ですし、飽きずに使えそうです。
書き心地は先ほどのパイロットとはまた違った書きやすさがあります。滑りすぎず硬すぎない!海外メーカーのシャープペンシルの太さの主流は0.7mmですが、こちらは日本規格の0.5mm、ボールペンも初期設定からF(細字)がセットされています。こういったところも日本人には馴染み深く、嬉しいポイントかもしれませんね。
パイロット
多機能ペン フォープラスワン リッジ
¥13,200(税込)
パーカー
ソネット マルチファンクションペンオリジナル ラックブラックGT
¥9,900(税込)
パーカー
ソネット マルチファンクションペンオリジナル ラックブラックCT
¥6,600(税込)
パーカー
ソネット マルチファンクションペンオリジナル ステンレススチールGT シルバー/金
¥9,900(税込)
カランダッシュ
849ボールペン
¥4,950(税込)
ウォーターマン
カレン・デラックス ボールペン ブルーST メイドインフランスコレクション
¥38,500(税込)
ウォーターマン
カレン・デラックス ボールペン ブラック&シルバ-GT
¥33,000(税込)