伊東屋社員の
「はじめての万年筆」

オマス
〈パラゴン〉

初めての万年筆は、5、6歳のころに伯母がイギリスのお土産で買ってきてくれた、木製の衛兵の帽子を取るとペン先が出てくるというものでした。 とても可愛くて、またそれまでは触らせてもらえなかった万年筆に感動したのを覚えています。でも残念ながら、それを使った思い出はまったくありません。

初めて買った万年筆は、オマス〈パラゴン〉です。
伊東屋の新しい店舗の準備のためにアメリカとヨーロッパの万年筆屋巡りをしていたとき、万年筆の魅力の伝え方を教えてもらった、カリフォルニアの万年筆屋で購入しました。
茶色の木目のようなセルロイドの削り出しが美しく、またボディが12面にカットされていてきらきらと輝きます。 蓋を閉める際、ネジの正しいスタートを見つけると、キャップとボディの木目がぴったり揃う仕組みが気に入っています。 また、ペン先が普通のものより長いのでペンを握ったときに自分の手と紙の距離がちょうどよく、弾力も柔らかすぎず硬すぎず、自分の筆圧にぴったりでした。
あまりに綺麗なのでインクを通したくなく、つけペンでしか使っていませんが、今でも宝物です。

※オマスの筆記具は、伊東屋オンラインストアではお取り扱いがございません。ご了承ください。

ペリカン
〈ペリカーノ Jr.〉

実は万年筆とは特に接点も関心もなく、伊東屋に入社しました。
研修で万年筆について学んでも、興味もあまりわかず…。そんな状態なのに、配属先が万年筆などの高級筆記具を販売するフロアになってしまったのです。
筆記具フロアに立つからには、万年筆を使ったことがないなんて言えない！と思い、その時に「大人も使える初めての万年筆」と大流行りしていた、ペリカン〈ペリカーノ Jr.〉を購入しました。

これはドイツの小学生が最初に使う万年筆で、まったく万年筆を使ったことがない私でも、そのかわいさから気負わずに「使ってみたいな」と思え、実際に書きやすくて出番の多いペンでした。
また、当時はペリカーノJr.をお求めの方がとても多かったので、「こう持つと正しい持ち方ができるんです」とか「インクの色も選べて楽しい」とか、自分で使っているからこそ伝えられることや、よさをお客様と共有しあえたことがとても印象に残っています。 なかなか自分が使っているペンについて、多くのお客様と「わかる～！」と盛り上がれることは少ないですからね。楽しい思い出です。

※紹介された〈ペリカーノ Jr.〉は旧タイプです。現行品とは一部デザインが異なります。

ペリカン〈M600〉
ピンク

自分で購入した初めての金ペンはペリカン〈M600〉のピンク。入社した年の限定色です。
ひときわ目を惹く綺麗な色の万年筆。先輩に「まだ在庫があるよ」と声をかけてもらい、思い切って購入しました。
当時は筆記具に興味を持ちつつも、まだ販売を担当してはいなかったのですが、この万年筆を購入した数ヶ月後に晴れて本店の筆記具売り場に配属されました。 当時は今以上に人見知りな私でしたが、この万年筆を持っていると伝えると「ペンが好きな人なんだね」と言っていただけることが多く、まるで自分の名刺代わりのような存在でした。

この万年筆を選んだ決め手はデザインの美しさです。知識もなかったあの頃はアクセサリーを見るような感覚で、好きなデザインのペンを自分の手元に置いておきたいという思いで選びました。 気に入ったデザインは気分を上げてくれますし、長く大切にできます。
様々な万年筆を使うようになり、書き心地の違いや自分も好みを分かるようになった今でも、私が万年筆を選ぶ基準の第一関門は好きなデザインかどうか。 これから初めて万年筆を使おうとしている方にはまずは好きなデザインのものを手にとって、スタッフに相談しながら試筆されることをおすすめしたいです。

※紹介された〈M600〉ピンクは過去の限定色です。現在、伊東屋オンラインストアではお取り扱いがございません。ご了承ください。

ラミー〈サファリ〉
スケルトン

ラミー〈サファリ〉のスケルトンが初めて使った万年筆でした。
伊東屋の玉川店でアルバイトをしていた大学生時代、当時の上長に譲っていただいたものです。 当時は万年筆に興味がないわけではなかったものの、自分が使うにはハードルが高いなと感じていました。
このスケルトンモデルはボディが透明になっているため、インクがどのようにペン芯を通り、ペン先から出てくるかという仕組みを見ることができ、機構の面からまず興味を持ったのを覚えています。 〈サファリ〉はデザインがスタイリッシュですし、カジュアルに持てる万年筆としてプライベートでよく使っていました。 専用のコンバーターを使えばボトルインクを入れることもできますし、いろいろ入れ替えて楽しんでいましたね。

この万年筆をいただいた当時は伊東屋に入社するとは想像していなかったのですが、その後ご縁があって伊東屋に入り、今ではバイヤーとして筆記具を担当しています。 筆記具や万年筆に興味を持つきっかけになったのは間違いなくこの一本でした。入門として、とてもいい万年筆だったなと思います。

ラミー〈サファリ〉
ホワイト

私の初めての万年筆は、ラミー〈サファリ〉です。
入社した直後、初めてきちんと商品の魅力や特徴をお伝えできてお客様に購入していただけた万年筆がこのサファリでした。 「この嬉しい経験を記念に自分も使い始めたい！」と思い、購入にいたりました。

サファリは色も素材もバリエーションがさまざま。 優柔不断な私はとても悩みましたが、持っているアイテム同士の色が合っていると気分が上がるタイプなので、一番シンプルでシックだと感じたシルバークリップのホワイトに決めました。
白のボディだとインクで汚れてしまわないか最初は不安に思いましたが、今は逆に愛用している感が出ていいのでは？と思っています。
グリップには正しく万年筆を握れるようくぼみが設けられており、ボールペンを使い慣れていた私でも違和感なく握ることができました。 一見難しそうに見えるインク交換も、カートリッジやコンバーターを差し込みやすい仕様になっていて、簡単に扱えます。
ペン先はEF(極細字)を選んだのですが、とても気に入っています。細い字を書きながら、ボールペンよりも軽いタッチで書けるので、楽しく書き続けることができています。

カヴェコ
〈クラシックスポーツ〉ホワイト

私の初めての万年筆は、カヴェコ〈クラシックスポーツ〉。色はホワイトです。入社1年目に購入しました。
決め手はこの可愛らしいフォルムと、持ち歩きやすさ。クラシックなデザインで手のひらに収まる姿に一目惚れしました。 樹脂製のボディは軽く、カジュアルに持ち運ぶことができるので、初心者の私にぴったりだなと感じました。 ペン先とロゴの色に合わせたゴールドのクリップ(別売)をつけると転がり留めにもなり、胸ポケットに挟めばクリップがきらりと輝いて素敵な印象になります。

もともと、初めての万年筆は文房具大国であるドイツのブランドにしようと決めていました。 その中でもカヴェコスポーツは、なめらかな書き心地に加えて背伸びしすぎないお値段、そしてデザインが好みだったので、すぐにこれにしようと決めました。
カートリッジだけでなく、専用のコンバーターを使えばボトルインクを使えるのも嬉しいポイントです。 カヴェコのインクは綺麗な色がそろっているので、入れ替えて楽しんでいます。
クラシックな万年筆がほしい方、カジュアルに持ち歩きたい方におすすめの万年筆です。