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銀座・伊東屋 本店

水彩スケッチのススメ 楽しくはじめる3つのポイント

夏を目前に、お出かけしたくなる季節の到来。画材を携えてちょっとスケッチに、なんて素敵ですよね。
でも絵をきちんと習ったこともないし、憧れはあるけど難しそう、そんな風になかなか一歩踏み出せない方、いらっしゃるのではないでしょうか。何を隠そう筆者もその一人です。
そこで今回は、G.Itoya 7階画材売場「COLOR」のスタッフに、初心者でも楽しく絵が描けるコツや、おすすめのアイテムを教えてもらいました。

ポイントは以下の3つ。順番にご紹介していきます。
1:描くものの選び方
2:道具を味方につける
3:楽しく描くのが一番大切!

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■ポイント1:描くものの選び方
描く対象には「人工物を入れないこと」が上手に見えるコツ。
モチーフは柔らかな線で成り立っている自然の景色がおすすめです。
実は人工物は輪郭が直線的なことが多いため、ちょっと歪むとすぐに分かってしまう難易度の高いモチーフです。
景色以外の対象でも、コップなどの硬いものよりも、ケーキや果物など柔らかい線のものが描きやすいのだとか。

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(同じ花畑でも建物などがない左の景色がおすすめ)

■ポイント2:道具を味方につける
描くものや好みに合わせて選ぶのももちろんですが、はじめのうちは楽しく描く気持ちが続くことが大切。そのため使いやすい道具から揃えるのが良いとのこと。
道具別に選ぶポイントやおすすめアイテムを教えてもらいました。

・スケッチブックは荒目or 中目をチョイス
スケッチブックは紙の表面の凹凸具合によって種類が分かれています。初心者さんにおすすめなのは「荒目」「中目」といった比較的凹凸が大きい紙。絵の具を乗せた時に紙の凹凸が作用して、表情豊かで味がある雰囲気に仕上がりやすいです。

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サイズはB6など小さなものが、持ち歩きにも便利で描きやすいのでおすすめです。

・屋外スケッチの強い味方、水筆を使う
筆者も学生時代に経験がありますが、絵を描く時におっくうに感じてしまうのが水の準備。筆を洗ったり、汚れた水を替えたりと手間がかかりますよね。それを華麗に解消してくれるのがこのアイテム、水筆です。
使い方は簡単、ボディに水を入れるだけ。軸部分を押すと筆先に水が浸透し、そのまま水につけた筆と同じように使うことができます。更に、穂先から水を多めに出しながらティッシュなどで拭けば筆の洗浄も完了。スマートに次の色に移ることができるのです。
普段使いはもちろんですが、外出の時は更におすすめ。水をこぼす不安や洗い物の手間を考えなくてすみ、荷物もコンパクトに。一本あるだけで水回りの手間がさっと楽になるとても便利なアイテムです。

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・絵の具セットはときめきで選んで
使いやすい色鉛筆もいいけれど、今回はアーティスト気分で混ぜ合わせが得意な絵の具を使ってみませんか?固形の水彩絵の具、それもセットタイプのものをおすすめします。絵の具というとチューブタイプを思い浮かべる方も多いと思いますが、それがきゅっと固められたのが固形水彩です。荷物が多くなりがちなチューブタイプよりもコンパクトで、持ち運びに適しています。キャラメルのような可愛らしい見た目が可愛らしいですよね。さらにセットのものを選べば、絵の具の複数色・パレット・筆などがすべて含まれているので、アイテムを一つ一つ選ぶのが難しい初心者の方にぴったり。コンパクトなので屋外スケッチにもうってつけです。

絵の具セットを選ぶときに多くの方が悩むのがそのお値段の違い。5,000円以下で買える手頃なものから、1万円以上のものなど、実はなかなかに価格帯の幅が広いアイテムなのです。初めてはまず手頃なものを選びがちですが、もしデザインや色に惹かれたら多少お値段が張ってもぜひそれを選んでほしいです。
なぜなら画材の「高い」にはきちんと理由があるから。
例えば、おひとつ15,000円のシュミンケの固形水彩絵の具セット。お値段にびっくりするかもしれませんが、絵の具メーカーの中でもトップクラスの品質と鮮やかさを誇り、しっかりと色付けができます。一般的に固形水彩は、金太郎飴のように絵の具を固めて切断していく製法によるものが多いですが、こちらはシュミンケ社独自の液状にした絵の具をスプレーのように吹きかける作業を4回重ねて作られており、より長く使えるそう。これは一例ですが、価格にはそれだけの理由があるので、ぜひ怖がらずに気に入ったほうを選んで頂きたいです。
また、ウィンザー&ニュートンはブルー、グリーンのアースカラーが豊富で、風景画にはおすすめ。ご自身の描きたい対象物や雰囲気のイメージに合った絵の具を選ぶのも良いでしょう。
ちなみに下書き用の鉛筆の有無などセットに含まれるアイテムは商品によって異なるので、その辺りも要チェックです。

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(左から)
・ウィンザー&ニュートン コットマンウォーターカラーHP16色セット 税込4,158円
・ウィンザー&ニュートン プロフェッショナルウォーターカラーHP 24色 税込17,490円
・シュミンケ ホラダム水彩絵具HP 12色 税込16,500円

■ポイント3:楽しく描くのが一番大切!
上手く描くことは考えなくて大丈夫!まずは絵を描くことをいかに楽しむかです。
例えばその場で全て仕上げるのが難しければ、現地で下書き、色はあとで写真を見ながら付けてもOK。外で描くのは緊張する、という方はカフェで窓の外や頼んだフードを描いてもいいと思います。
画材を入れるためのポーチを選んだり、完成した絵をお部屋に飾ったり、絵を描くことを中心に次の楽しみに広げていくのもおすすめです。

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この記事では水彩スケッチを楽しく始めるコツをお伝えしました。
ここからもっと上手になりたい!という方は本やお教室で知識や技術を深めていくことで、絵の世界をもっと楽しんでいただけると思います。

絵を描くために何かを見ると、普段は気づかないちょっとした発見があったりします。例えば花びらがグラデーションになっていたり、雲のかたちが少しの時間で変わっていたり。そんな風にいつもとはちょっと違う目で見た景色は、きっと特別な思い出になるはずです。
さあ、水彩スケッチで新しい景色を見つけに行きましょう。