銀座 伊東屋が自信をもって取り揃えている商品の中から、G.Itoya 3階筆記具コーナーに勤務する伊藤が季節やテーマにあわせておすすめの万年筆やボールペンをご紹介するこの連載!
第7回目は、自分の時間を充実させてくれるペンたちをご紹介します。
何か素敵な贈り物はないかな?そんなことを考える時間が増える季節になりました。
今まで以上に、時間を大切に過ごしたいと思う方が増えているような気がします。今日は、自分の時間を充実したものにしてくれる万年筆をいくつかご紹介します。
差し上げる方によろこんでもらえるのはもちろん、ギフトを選ぶその時間までも心があたたかく、嬉しくなるようなものをそろえました。どうぞ最後までごゆっくりご覧ください。
まずはセーラー万年筆「世界のTea time」コレクションから、クリスマスプディングをご紹介。
みなさんはクリスマスプディングを召し上がったことはありますか?私はその存在を今回初めて知りました。
調べた画像で「はっ!」と。海外のクッキー缶やラッピングペーパーなどで見たことがあります!なーるほど、これをクリスマスプディングと言うのですね。
イギリスの伝統的なクリスマスケーキで、家庭ごとに受け継がれた秘伝のレシピがあるとか。しかも驚くべきことに、作ってすぐ食べるのではなく、クリスマスディナーの日まで熟成させるそうです。そうすることでドライフルーツが発酵して、どんどんおいしくなっていくとのこと。
このクリスマスプディングといい、シュトーレンといい、ヨーロッパの方はクリスマスまでの時間を大切に楽しんで過ごしているのですね。私も今年食べてみたいなぁ。
こんな風に万年筆から、海外の文化や風習を知るというのも楽しいものですね。そんなクリスマスプディングをイメージしたペンを、是非ご覧ください。
クリスマスプディングに柊の実と葉っぱを飾り付けたようなデザインは、寒い冬をちょっと温かくしてくれます。まずなによりキレイな色合いがポイント!落ち着いた色味のブラウンと、深みのあるグリーンの組み合わせがとてもシックで、天冠の柊の実を模した赤がアクセントに。クリスマスプディングを知らなかった私も、この色味の組み合わせはおしゃれだなと思いました。
ちょっと寒くなった街並み、イチョウの葉っぱが色づく季節に使ったら「さぞカッコいいだろうなぁ」と、にまにま。季節によってペンを変える。今まで憧れていたことができそうなペンです。
お次は大人の余裕と遊びあふれる1本、プラチナ万年筆 #3776センチュリー シェイプ・オブ・ハート。
漆黒のボディにピンクゴールドのクリップ、ペン先のコーティングもピンクゴールドをあしらい、天冠にはクリスタルがぎっしり。
これだけでも十分おしゃれ感が漂っていますが、これだけで終わらせないのがプラチナ万年筆。天冠にぎっしりつまったクリスタルをよく見てみると…小さな金属のハート片を発見! …これは一体?どうぞペン先にご注目あれ。小さく穴が開いていますよね?よく見てみてください、ハート型をしていませんか?そう、クリスタルと一緒にいたハート片はペン先のハート穴をくりぬいたものなのです。
通常このハート片は溶かされて、次なるペン先に活かされますが、今回このペン先を製造する際に出たハート片は、ペン先と一緒に「はなればなれにならないハート」(プラチナさん談)として残されたのです。なんてロマンチック。
そして普段はお目にかかれないハート片をデコレーションの一部に入れ込むなんて、万年筆好きが心躍る粋な計らい!この喜びは大人になった私たちにしかわからないですね。まさに大人の遊び心がつまった万年筆です。
最後は情熱燃ゆる万年筆をお届けします。
プラチナ万年筆 #3776センチュリー 富士旬景シリーズ最終章・錦秋。またプラチナ万年筆?とお思いでしょう。私も思いました。でもあらがえない魅力があるのです、この手のプラチナさんのデザインには!
富士が織りなす旬な景色からインスピレーションを得て創作される「富士旬景シリーズ」。息を飲むような富士山の神秘的な景色と言葉の持つ奥深さが表現されています。この錦秋はその名の通り、富士山の周辺で燃え上がる紅葉の景色をイメージして作られました。
精密なカッティング技術で紅葉燃え盛る情景をダイナミックな火炎模様で表現し、ボディの色も深い緋色に。ゴールドのクリップやリングとの組み合わせは、見れば見るほど引き込まれます。カジュアルになりがちな透け感のある素材にもかかわらず、これだけ深い色味と存在感を出せるのはプラチナさんだけではないでしょうか。
#3776センチュリーの名前を掲げていますので、キャップにはスリップシール機構がばっちりついています。キャップ内が完全に密閉されるのでインクが乾くことなく、次に使いたい時にもさっ!と書き出せます。前述の#3776センチュリー シェイプ・オブ・ハートにももちろん搭載されているので、ご安心を。
このスリップシール機構、発売当初は「1年後でも書ける」と謳われていましたが、今や「2年経っても大丈夫!」にアップグレードされています。さらに高みを目指す姿勢も見習いたい!
手にするだけで、自分がその情景の中に入り込んだ感覚になれる万年筆。久しぶりにそんな万年筆に出会った気がします。
寒い時期はどうして無性に文字を書きたくなるのでしょうか?
書きたい時に書きたいだけ書くと、頭がすっきりして次のステップにもすんなり進めたりするものです。ギフトとしてだけでなく、自分自身を映し出してくれる相棒としての万年筆。少しでもお役に立てたら嬉しいです。みなさま、素敵な時間をお過ごしください。