「ペンのお話、しませんか？」
銀座のあの人おすすめ筆記具

銀座 伊東屋が自信をもって取り揃えている商品の中から、G.Itoya 3階筆記具コーナーに勤務する伊藤が季節やテーマにあわせておすすめの万年筆やボールペンをご紹介するこの連載！

第5回目は、充実した時間を一緒に過ごしてくれるペンたちをご紹介します！

新年度特有の慌ただしさがひと段落し、新緑広がる爽やかな景色や空気をふと感じることが多くなってきましたね。
ゆったり一息つきながら、自分だけの時間を過ごす…そんな充実した時間の使い方ができる人生に憧れています。
本を読みながら気に入ったフレーズをメモしてみたり、つれづれなるままに日記やひとりごとのような文章を書いてみたり、やりたいこと・目標をあれこれ書き出して満足してみたり。 今回はそんな充実した時間を一緒に過ごしてくれる万年筆をご紹介したいと思います。

セーラー万年筆がまたもや心をくすぐるテーマでペンを作ってくれました。
その名も世界のティータイムシリーズ。お披露目となる第一弾は北欧のティータイム文化「Fika(フィーカ)」です。
フィーカとは、ただお茶(コーヒーが主のようですが)を飲むだけでなく、お友達やお仲間と軽くおしゃべりしながら過ごすことだそうです。

その時に使われるカップ＆ソーサーやハロングロットルというお菓子をイメージして、今回のデザインが生まれました。ブルーと木苺のようなレッドが、北欧らしいあたたかみのある雰囲気を想像させてくれます。商品名にもしっかりそれを盛り込んでくるあたり、お上手ですよね。

その上、天冠(キャップの頭)部分のセーラーマークにもさりげない演出が！

カップ＆ソーサーの方はブラウンになっていて、カップに注がれたコーヒーを上からのぞいているわくわくした気分になりますし、ハロングロットルの方は赤で、ちょうど真ん中のジャムみたいになっているので、天冠全体がお菓子みたいでおいしそう！
私は特にハロングロットルに心を奪われています。天冠のかわいさはもちろん、この赤はどこか惹かれてしまう魅力が。透き通ったジャムのような深みのある赤と、それを作っている途中のラズベリーのような甘酸っぱい赤の組み合わせ。ついつい用もないのに手に取ってしまいたい気持ちになります。

プロギアスリムがベースになっているので、使い勝手は抜群。持ち運びしやすいサイズなので、お出かけ先でちょっとメモを取りたい時やお手紙を書きたい時などにもバッチリです。フィーカという楽しい心豊かな時間を、このペンと一緒に過ごしてみたいものです。

ドイツのペリカンといえば、黒いキャップにグリーンの縦縞、重厚感たっぷりなペンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。一本は欲しい万年筆、書けば書くほど自分の手に馴染む万年筆。そんな質実剛健なペリカンにも、ちょっとキュートで華やかな配色の万年筆がございます。それがM605グリーンホワイト。

新芽や若葉を思わせる鮮やかなグリーンの縦縞に、それらをクールにまとめる真っ白なキャップとシルバー色のクリップとリング。持つだけで陽気な春や初夏の空気を感じるような配色は、かわいらしさを求める方にも、かっこよさを重視する方にも、どんなイメージにもマッチしてくれる万能さがあります。
吸入式なので、気分や用途に合わせてインクの色を選ぶ楽しみも。ロイヤルブルーを入れれば爽やかな気分で書けますし、軸の色に合わせてグリーンを入れてもおしゃれで素敵。ピンクも結構ありですね！ロジウムコートされたペン先から、どんな色のインクが出てくるのか想像しながら選ぶと、更に使いたい欲がむくむくしますよね。

書き味は何の心配もいりません。肉厚なペン先・ペンポイントなのでぶれずに筆記でき、さらさら軽く書くにも、一画一画しっかり書くにも、自在に使うことができます。
カフェや公園のベンチで、今日の予定を書いてみたり、ちょっと思いついたことを記してみたり。フレッシュな空気の中で、自分も自然の中に溶けこんだような、そんな気持ちよさを感じる万年筆です。

私は文章を書く時や万年筆自体を選ぶ時に「書きたい・使いたい！」という気持ちにさせてくれるかどうかもチェックしています。「やる気を起こさせてくれる」という面はもちろんですが、「書きたい気持ち・書くことを邪魔しない」という面も少し意識しながら、あれやこれや選びます。

考えたり、それをまとめたりするとき、その思考を邪魔しないシンプルなデザインでないと、いいアイディアが浮かんできているのに「あれ…なんだったっけ？」と忘れてしまうことがあります。完全に集中しきれていないからなのか、手元のカラフルなペンについつい意識を持っていかれてしまうのです。そこでいい仕事をしてくれるのがパーカー51。

すっきりしたフォルムに、マットなステンレスキャップ。ちょこんと短く出たペン先は、走り書きに最適です。私の中ではボールペンの延長で使える万年筆という位置づけです。ぐっと筆圧をかけて書いても字が割れづらく、安定して文字を書くことができるので、興に乗ってどんどん書き進めたい時もへこたれることなく書き続けられます。

軸の色は4色ありますが、ダントツのお気に入りはティールブルー。万年筆にはなかなかない青緑系の色味が、思考をすっきりクリアにしてくれる気がしています。
書きたい時に筆を走らせられないのは、なかなかのストレスですよね。タフなパーカー51で、書き終わった後の充足感を是非体感してみてください。いいパートナーになってくれると思います！

ゆっくりゆったり書きたい時や集中して書いた後の満足感、万年筆は様々なシーンでいい役割を果たしてくれます。
書くモチベーションを上げてくれるものから、自分の行動に寄り添ってくれるものまで、色々な面から「これぞ！」という万年筆に出会ってください。そのお役に立てれば嬉しいです。