銀座 伊東屋が自信をもって取り揃えている商品の中から、G.Itoya 3階筆記具コーナーに勤務する伊藤が季節やテーマにあわせておすすめの万年筆やボールペンをご紹介するこの連載!
第3回目は今年一年のしめくくり、新しい年に向けて自分を高めてくれるペンをご紹介します!
12月ってクリスマスのわくわく感、年の瀬の心静かな荘厳な感じ、そして来る新年へのみなぎるやる気、様々な感情が入りまじって、総合的になんだかうきうき浮足立ってしまいませんか?
今まで買おうか悩んでいたものや、ちょっと目立っちゃうかな?なんて思って踏み切れていなかったものも、年末の空気感を感じると、「せっかくだからこの機会に!」なんて色々買ってしまうことが多々。こういう時は買う理由がすぐに思いついてしまったりするから不思議です。
自分自身へのご褒美や、大切な人と一緒に選んで贈りあう、そんな場面でお役立ていただければ嬉しいです。
すでに何度か登場しているので、見覚えのある方も多いのではないでしょうか。
冬のこの時期は、なぜだかきらきら輝くものに目がいってしまいますが、エクリドールもまさにその一つ。普段見慣れている柄も新鮮に、より美しく見えてきます。
そんなエクリドールのこの冬一押しの柄が、ワンダーフォレストエクリドールスターギフトセット。
パッケージもスイス・カランダッシュらしい赤の缶で、これだけでも欲しくなってしまいます。その缶を開けると、きらびやかなボールペンと共に、深いグリーンのペンシースが。
ベースになっているのはベーシックなギロシェ模様ですが、彫る刃や方向を変えることで立体的で存在感のある表情に仕上がっています。
遠目から見ると、彫刻の深いところと浅いところがジグザグしていて、まるで大きなクリスマスツリーやモミの木のよう。
ペンを1本すっと入れられるシースは、硬すぎないしっかりした牛革に、鉛筆の断面がモチーフになったロゴを空押し。赤いステッチで「カランダッシュだ」ということをさりげなく表現しているそう。
今年のカランダッシュのウィンターコレクションは、大人のわくわく感をかきたててくれるようなセットに仕上がっています。
きらきらしたものに惹かれると同時に、冬は木製や革製のぬくもりあるものへの興味も増してきます。
ここで登場するのが、クラシックコレクション。すっきりシンプルなデザインでありながら、上品で上質な雰囲気をまとっているペンです。
特にペルナンブコを使った万年筆やボールペン、シャープペンシルは、このシリーズの代表、一番「らしい」ペンではないかなと私は思っています。
ペルナンブコは美しい赤褐色が特徴的で、硬くてしっかりしていることから弦楽器の弓や家具に用いられることが多い素材。そこに施されたストライプのようなリブ模様、プラチナコーティングされたキャップやクリップ…。使えば使うほどに艶感が増して、自分だけの風合いになってくれることでしょう。
ここで一歩踏み込んでおすすめしたいのがシャープペンシルです。もちろん万年筆は流れるように気持ちよく書けますし、ボールペンも手の中にしっかりおさまってくれるいいバランスとなめらかな書き心地でおすすめなのですが、シャープペンシルこそ興味を持っていただきたいのです!!
(※以下、伊藤の持論も交じっております)
グラフ フォン ファーバーカステルは世界で最初の鉛筆メーカー・ファーバーカステルから派生したブランドです。ファーバーカステルの鉛筆へのこだわりを一身に受け、半永久的に使える鉛筆であり続けてほしいという思いがこめられたシャープペンシルなのです。
他のシャープペンシルにはないこだわりを以下簡単にまとめました。
1. 握る所から芯先までの距離が長い
→今、紙のどこに芯が当たっているのかがきちんと見える!
(自分の指で芯先が隠れてしまうものが多い)
2. パイプから直接芯が出てくる
→書く時に芯がブレない!
(ほとんどのものがいくつかパイプを経由して出てくるので、芯の粉で滑りやすくなり、ずるっと動いたりぐらぐらしたりすることがある)
これに加えて、存在感のある重さが書きやすさを後押ししてくれています。
暖炉であたたまった部屋でゆったりと日記や手紙、メモなどを書く、そんな豊かな時間を過ごしたくなるペンです。
最後にイタリアはトリノの老舗ブランド・アウロラから、色鮮やかで美しい万年筆をチョイスしました。
フラッグシップモデルであるオプティマ。
アウロラが独自で開発した樹脂、アウロロイドを使って作られています。マーブル模様が美しいこのコレクションは、アウロロイドをひとつずつ削り出していて、2本と同じ模様がありません。ついつい書いている自分の手を見て、うっとりしてしまうくらいの美しさです。
昔はブルーとグリーンしかラインナップされていませんでしたが、今は計7種類にも増えています。色によってマーブルの大きさや模様の出方に特徴があり、単純に色だけでは選べない嬉しい難しさがあります。(迷うのすら嬉しい時、ありますよね!)
今「1本選んでいいよ」と言われたら、私は迷わず原点回帰でグリーンを選びます!淡いグリーン・濃いグリーン・混じりあって濃くなりすぎた黒みたいなグリーン(本当は黒なのかしら?)に加えて、青みがかったグリーンがタイルのように並び、重なっていて、木々に囲まれた静かな湖のような深さを感じるのです。
この青みがかったグリーンが一番のお気に入りポイント。目の前にぱぁぁぁっと景色が広がってきます。
肝心な万年筆の書き味はといえば、大きめな14金のペン先でしっかりとした安定感があります。キャップを後ろにつけてゆったり書くことも、キャップをつけずにぐっ!と握って書くことも、どちらでもバランスよく使えるペンです。
吸入式なので、好みに合わせたインクを選んで、たっぷり使っていただけますね。
さて今回は、自分を高めてくれるような、今年のしめくくりにぴったりなペンをご紹介しました。いずれも100年を超える歴史に裏付けられた機能と美しさ。大切に長く使っていきたいものばかりです。
使うたびにぴしっと気持ちを高めてくれるような、人生のパートナーとなる1本を見つけていただけたら幸いです。