日本人デザイナー新居 猛(にい たけし)(1920-2007)によりつくられた「ニーチェアエックス」は、世界に誇る日本の名作椅子です。住環境など日本的な成り立ちを背景とし、置く場所を選ばないシンプルで美しく機能的なデザイン、そして国産ならではの品質とくつろぎは、1970年の発売から50年経った今もなお世界中で評価され、愛用され続けています。「いつの時代も変わらず愛され続ける、良い暮らしの道具」として、日本の品質とくつろぎをお届けします。
新居 猛
Takeshi Nii
カレーライスのような、椅子づくり
デザイナー新居 猛(1920-2007)は、徳島の剣道具製造業の三代目として誕生しました。「座り心地を落とさず、とにかく安く、道具のように役に立ってこそ椅子」という信念のもと、多くの人に愛される、カレーライスのような椅子づくりを目指しました。
人間工学、住環境を考慮した座り心地
計算されたシートや肘かけの高さ、背もたれの角度や生地の特性、全てが相まって生み出す、包み込まれるような座り心地です。約一畳分のスペースにくつろぎの空間が作れます。脚の形状においては、畳などの床が傷みにくいものとなっています。
軽量で折りたため、シートは着脱できる
手軽に折りたためて自立するので隙間に収納することも可能です。約6.5kgと軽量で、たためば幅約15cmに。起毛加工を施した風合いや肌触りが良い帆布のシートは、取り外して交換できます。
最高品質の帆布と実績のある組み立て工場
体全体と椅子の構造を支える為、一級帆布と言われる丈夫な「倉敷帆布」を使用しています。1888(明治21)年創業の工場で作られており、自然素材で静電気も発生しにくいです。肘かけやパイプの曲げ加工など、組み立てにおいても長年の実績と信頼のある国内工場で生産しています。
古来から、日本の建築には几帳(きちょう)や屏風(びょうぶ)、衝立(ついたて)、簾(すだれ)など様々な「しきり」がつかわれてきました。外のまぶしさや外からの視線を遮りながらも、ほのかに光や風、音を伝えるそれらの「しきり」は、自然の変化や風合いを大切にしてきた日本の住まいになくてはならない暮らしの道具でした。Shikiriはそのような「しきり」をコンセプトに、室内と戸外との間に緩やかなつながりを持たせる道具として、新たにデザインされました。
ライトグレー
格子 KOSHI
横方向に長い格子の柄。ライトグレーと白の淡いコントラストは、朝日が格子戸の木枠を縁取る様子を連想させます。
ブルーグレー
簾 SUDARE
細かく連続する簾のような縦ストライプに白い横ストライプ。簾を通して室内に伝わる光やそよ風を表現した柄。霧がかった湖を思わせる透き通った色合いです。
ダークグレー
障子 SHOJI
大きめの升目に障子の桟を想像させる柄。青味がかったダークグレーは、朝もやの中に見る深い森の澄んだ濃色を思い起こさせます。
Shikiri デザイナー
河東梨香 プロフィール
ドイツ生まれのテキスタイル&インテリアデザイナー。
日本人の父とデンマーク人の母を持ち、旧ソ連、スウェーデン、日本、アメリカで育つ。アメリカの美術大学を卒業後、テキスタイルデザイナーとして大手自動車会社向けファブリックのデザインと開発を行う。
2011年に自身のデザイン事務所"tona"を設立。多様な国や文化の中での経験を通した異なる文化の融合が彼女のデザインの根源になっている。