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引き出しの中は、私の世界#7メインビジュアル

引き出しの中は、わたしの世界

#7「万年筆とボールペンは揃った、あとはペンシル。」

「引き出し」は好きなもの、こだわりのもの、自分だけのとっておきが詰まった特別なスペース、"自分だけの世界"。

そんな、特別な場所-引き出し-の中に加えたくなるようなとっておきのペンを、様々なテーマから集めてご紹介します。紹介してくれるのは、伊東屋の中でも「ペン好きさん」として有名な、銀座 伊東屋 横浜元町・筆記具売り場のスタッフTさん。

連載7回目となる今回のテーマは、「ペンシル」。

万年筆とボールペンは揃った、
あとはペンシル。

#7テーマ紹介


万年筆やボールペンは特別なものを揃えたけれど、ペンシルは…という方も多いのではないでしょうか。

大人になったらボールペンがメインになって…
手紙の時は万年筆を使うし…
と、人によっては使用頻度が少ないアイテムかもしれません。

それでも、だからこそ、ペンシルまでこだわりたい。

今回は、それぞれの特徴と共にオススメのペンシルをご紹介いたします。

カランダッシュ「849プレミアム メカニカルペンシル」(0.5mm)

849プレミアム メイン

トップバッターはこの連載ではお馴染み、カランダッシュの849シリーズ。
これまでボールペンは何度かご紹介してまいりましたが、カランダッシュといえば鉛筆工場からスタートしたメーカーですので、もちろんペンシルにも定評があります。

  • 849プレミアム 色鉛筆とペンシル
  • 849プレミアム 口金部分

鉛筆型の六角形のボディは「鉛筆の理想的なサイズ」をイメージしており、慣れ親しんだ鉛筆を使うような気分で書いていただけるのが魅力です。アルミ軸なので軽く、価格も比較的手頃なので、普段からガシガシ使うのにもぴったりなシリーズです。

特にこのギフトラインのカラーリングを纏った「849プレミアム メカニカルペンシル」は日本でも馴染み深い0.5mmの芯搭載のペンシルで、ビジネスでもプライベートでもお使いいただきやすい大人な雰囲気のデザインです。
「ブラックコード」はボディもクリップもオールブラックでシンプルな佇まい。男性から絶大な人気があり、可愛すぎないデザインのペンが好きな女性の方もお求めになります。
849プレミアム 3色アップ

「ブリュットロゼ」は以前ボールペンでもご紹介しましたが、「ゴールドバー」もボディがマットで少しサラサラとした触り心地なので、ハンドクリームを塗った後に触っても指紋でべたつかないのでおすすめですよ。
849プレミアム 表面加工クローズアップ

ゴールドといっても品のあるトーンなので華美になり過ぎず、さらっとファッションのポイントに持つのも素敵だなと思います。より柔らかい、エレガントなイメージがお好みの方には「ブリュットロゼ」がおすすめです。

ペリカン「スーベレーン D400 ペンシル」(0.7mm)


ペリカンD400 メイン

ペリカンというと万年筆のイメージが強いかもしれませんが、個人的にはペンシルもおすすめです。全体的に軽く、携帯しやすいのが特徴です。

クリップはペリカンのくちばしの形になっており、胸ポケットで抜き差しした際も洋服を傷めにくい形状になっています。可愛さと機能性を兼ね備えているペリカンのペンですが、中でもD400はとにかく軽いのでシャツ一枚で過ごす際も、胸ポケットに入れやすく、これからの季節にもぴったりです。

  • ペリカンD400 クリップ
  • ペリカンD400 天冠ペリカンの親子
(ノックボタンにいるペリカンの親子にも注目。ディテールが可愛いのもペリカンの素敵なところ)

軽い故にぱっと手に取りやすく、個人的に楽に持てるサイズです。書くと鉛筆らしいサリサリ感を体感できて、程よい筆記感が心地良いです。

  • ペリカンD400 カラーバリエーション
  • ペリカンD400 ブラック

王道はブランドカラーでもあるグリーンストライプですが、単色のブラックを持つのもさりげなくてお洒落です。皆さんは何色派ですか?

ラミー「ラミー2000 ペンシル」(0.5mm/0.7mm)


ラミー2000 メイン

ラミーの代表モデルといえば「ラミー2000」。
1966年に誕生した、"西暦が2000年代になっても色褪せないデザイン"というコンセプトのペンです。

名前の通りいつの時代にもモダンに映るラミー2000ですが、店頭でこれは木軸ですか?と聞かれることがあります。確かに木のようにも見えるのですが、実はこちらは樹脂で作られていて、「ヘアライン加工」という髪の毛のように細い彫刻ラインを一方向に施したものなのです。
ラミー2000 ヘアライン加工

最初にボディがやや白っぽいのは、このヘアライン加工を施した際に出る削りかすが、パウダー状に残っているから。使い込むとパウダーが取れ、ツヤツヤになっていきます。使い込むほどに味が増すので、変化を楽しめるのも魅力の一つですね。

ボディの形は持ち手あたりがぷっくりしているので手に収まりやすく、持ちやすいと感じる方が多いのではないかと思います。そしてこちらも大部分が樹脂製なので軽く、クリップにはバネが入っているので、ポケットでの抜き差しも楽々です。
ラミー2000 クリップ

リフィルを交換する際には、繋ぎ目部分を反時計回りに回し続けて分解をするのですが、見てください、この繋ぎ目のさりげなさを。

  • ラミー2000 繋ぎ目クローズ
  • ラミー2000 分解

私が銀座本店で勤務していた頃、ドイツからお越しのお客様が「このシームレスな繋ぎ目がこのペンの素晴らしいところで、私たちドイツ人の誇りです」と仰っていたのが、今でも心に残っています。そのくらい、この繋ぎ目にはラミーらしさが表現されているのだと当時学びました。

“シンプル且つ機能的なものこそ美しい”という「バウハウス」(=1919年に設立されたドイツのデザイン学校)の精神が宿るラミーの代表モデル。そしてドイツ本国の方が誇る筆記具です。是非お試しあれ。

ラミー2000 線幅比較
(線幅は0.5mmと0.7mmの二種類)

ファーバーカステル「クラシック エボニープラチナ シャープペンシル」(0.7mm)


エボニークラシック メイン

最後はこちら。個人的にはこのクラシックシリーズがペンシルの中で一番好きです。

シンプル且つ上品な佇まい。美しいライン。
入社当時から憧れのシリーズです。

ファーバーカステルといえばドイツの老舗ブランド。現存する世界最古の筆記具メーカーと言われています。鉛筆メーカーなので、こうした木軸のモデルがファーバーカステルらしいモデルと言えます。このクラシックシリーズは希少価値の高い木を軸に使用しているシリーズ。
エボニーはいわゆる黒檀といわれる木です。
エボニークラシック 木軸の質感

サステナビリティという言葉が日本でもよく聞かれるようになるよりも前に聞いた話ですが、ファーバーカステルは環境配慮に対する意識が高く、製品に使われる木材はすべて自分たちで育てた木を使用しているそうです。

木は手触りも優しく、使い込めば使い込むほどツヤが増したり、色が濃くなったりと、変化が楽しめるのも魅力ですよね。

  • エボニー 天冠
  • エボニー 繰り出し動作
(芯を繰り出す際はボディを左手で支え、右手で上部の銀色の部分を左にツイストします。芯を戻す際はツイストしたまま指で優しく芯を押すと戻ります。)

比較的重さがあるペンなのでペンの自重だけで書くことができます。そして書いてみると、口金の細長さがデザインの美しさだけでなく、筆記面の見易さにも繋がっていることに気がつきます。

  • ラミー2000 エボニー 口金デザイン
  • ラミー2000 エボニー 筆記シーン

このかゆいところに手が届く機能性と、書き心地のなめらかさが私の好みです。

ペンシルとしては値が張りますが、ペンシルまでこだわってこそ大人な感じもして、私のいつか欲しいペンリストに常に入っています。

※ご利用の端末やブラウザ、また画像加工などの事情により、実際のインク色とは見え方が若干異なりますのでご注意ください。