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  3. 銀座 伊東屋 本店店長のちょこっとペン話 第2回「店長のお仕事ペン」

店長の仕事とは


銀座本店をどのようによりよくしていくか、たくさんの課題がある中で代表者として方向付けていくのが店長の重大な仕事。伊東屋内のいろんな部署の人や各フロアマネージャーと話します。


土日は店内に出ることも多いです。
本館も別館も上から下まで行ったり来たりしています。各フロアがどうなっているか把握するのも大事ですし、お客様と会話することもできるのでこの時間も大切にしています。特に土日は多くのお客様がいらっしゃるため、お問い合わせに対応したりもしています。
ありがたいことに複数フロアにわたってお買い物をしていただくお客様が多いので、店内用買い物バッグが上層階に集まることが多いのが面白い傾向です。

ペンの持ち運び方


ペンはペンケースに入れておいて、出勤したらポケットに差すなどして身に着けるようにしています。
デスクには『カラーチャート』の革製トレーを置いています。これがとてもおすすめ。デスクで書き物をして、ちょっと置いておきたいときにぴったりなんです。 私は「アンカーグレー」というカラーを使っています。
一日を終えるときには必ずペンたちをペンケースの中に戻すようにして、失くさないように気を付けています。


実際に使用しているペン


本当はいろいろなペンを使いたいのですが、そういうわけにもいかないので少しずつ入れ替えながら使っています。 店内に出るとき持ち歩くのは3本くらい。使用頻度は万年筆、ボールペン、多機能ペン、シャープペンの順に高いです。


万年筆は会議・打ち合わせのメモ、TO DOリストを書くときなどに使っています。
ゆったりした気分で使うという方も多いと思いますが、私は仕事でバリバリ使いたいタイプです。 私にとって万年筆は「書きたくなる筆記具」なので、仕事のモチベーションを高めてくれる欠かせないアイテムです。

ボールペンは主に売場で使います。複写式の伝票に記入したり、立って書いたりするときに必要になるので持つようにしています。
ただ、お客様が何かの拍子に万年筆に興味を持たれたときさっとお出ししたいので、万年筆も常に持つようにしています。

My Mighty ボールペン


2本持っていますが、実は両方いただきものなんです。
1本は、社内コンテストで賞をいただいた際に社長が私をイメージして組み立ててくれたもの。もう1本は私の家族が組み合わせを選んでくれたものです。どちらもすごく思い入れがあり、愛着をもって使っています。

滑らかなゲルインクを搭載しており、さっと使いたいときに活躍してくれるペンなので、日替わりでジャケットに入れて持ち歩いています。
挟んだ生地を傷めにくいローラークリップも気に入っています。

『My Mighty』のカスタマイズは、店舗限定のサービスです。オンラインストアでは、既成の『Mighty』を取り扱っています。

ROMEO(ロメオ) No.3
ボールペン


勤続5周年記念で会社からもらったものです。柄が気に入って使っています。
販売していない柄のため、店内での登場頻度は少なめですね。

ROMEO No.3はやはり、書き味がいいところが気に入っています。
重心が中心のリングに置かれているので、ちょうど親指と人差し指の間に重さが分散するようになっています。これが長時間使っていても疲れにくい秘密。
初期搭載のゲルインクもなめらかでさらさらと書けます。油性インクのリフィル(※別売)もありますので、お好きな書き味を選ぶことができますよ。

カランダッシュ 849 
リコシェ ボールペン ※廃番品


見た目は同じカランダッシュの『エクリドール』に似ていますが、クリップの形が違う『849 リコシェ』というペンです。
『849』は六角形のボディと静かでスムースなノックボタン、アルミニウムでつくられた軽量なボディと遊び心のあるカラーやデザインが人気のコレクション、『エクリドール』は鉛筆からヒントを得た、鉛筆工場としてスタートしたカランダッシュの遺伝子を受け継ぐ高品質でアイコニックなコレクションです。
クリップを外せるのが849、溶接されているのがエクリドールという違いがあります。

『849 リコシェ』は、コーティングがニッケルだから、使い込むと色が変わってくるのが特徴です。
エクリドールの方が高級感があってグレードも高いのですが、私はずっとぴかぴかの状態を保てるよりも風合いが変わっていくほうが面白いなと思って購入しました。 10年近く使用しているのでコーティングがはがれてきて下地の真鍮の色が出てきていて、ますます愛着が湧いています。

他の849シリーズより重みがあり、書き味がエクリドールに非常に近いところも気に入っています。それは軸がエクリドールと同じ真鍮だから。
残念ながら849リコシェは廃番品なので、現行品ではエクリドールがおすすめです。

【伊東屋限定】サファリ × itoya copper01 万年筆


ペン先は”漢字ニブ”を使っています。
字幅はF(細字)とM(中字)の間くらいでしょうか。ちょっと筆圧をかけるとしなってくれて、万年筆らしい書き味です。
通常、『サファリ』のペン先はステンレスのしっかりとした安定感が売りですが、漢字ニブはそれとは毛色が違っていて面白いと思います。書き手の使い方に応えてくれるような、ペンとコミュニケーションができるような感覚で書いていて楽しい万年筆です。

ちなみに、インクは『Kobe INK物語』の銀座本店限定色”銀座ゴールドセピア”を入れています。
よくある黒や青ではありませんが派手ではなく、どんなシーンでも使いやすい一方、ゴールドがかったようなニュアンスの味わいあるカラーです。万年筆の良さのひとつでもあるインクの濃淡を見せることができるように、黒インクは使っていません。

パイロット 万年筆 カスタム カエデ (上)
プラチナ 万年筆 ブライヤー (下) ※廃番品


パイロットの『カスタム カエデ』は、字幅はF(細字)で、3年くらい使っています。
太めの軸が好きです。私はあまり筆圧をかけずにゆったり書くことが多いので、ペン自身の重さでインクが出やすく握りやすい太めの軸の方がしっくりくる気がします。
木軸は、新品は質感・色味ともにナチュラルですが、使えば使うほど艶が出てきます。こういった経年変化がたまりません。色も濃く変化していますね。
こちらにはパイロット純正のブルーブラックのインクを入れています。


プラチナ万年筆の『ブライヤー』は、同じく字幅はF(細字)で、こちらは10年以上使っています。
同じ細字でも、メーカーによって書き心地は全然違います。パイロットはとにかくインク通りがいいので細字でもすらすら書けるのがいいところ。プラチナは裏抜けしにくく、書いた文字が一番綺麗に見えるところが気に入っています。
プラチナ純正のブルーブラックのインクを入れています。

ジャケットの胸ポケットに差して持ち歩くか、バンド付きペンケースにこのブライヤーとカエデシリーズの多機能ペンを一緒に入れています。
実際、多機能ペンがあれば事足りるのですが、やっぱり万年筆で書きたくなることが多いので入れていますね。ノートを書くときなどは振り返ってみてみるとほとんど万年筆で書いていますね。やっぱり、万年筆で書くのが好きなんです。

ラミー ラミー2000 
シャープペンシル


トンボ鉛筆の『モノゼロ ノック式消しゴム』と一緒に、1本差しのペンシースに入れています。
偶然にも、この2つがセットでぴったり入るんです。

ラミー2000はヘアライン加工が特徴のペンですが、10年以上使い込んで光沢が出てきました。芯の太さは0.5mmです。
選んだ理由はずばり、使い込み甲斐があるから&デザインがかっこいいから!
デザインで一番気に入っているのはクリップ。普通のものとは違い削り出しで作っているからこその分厚さや、ばねがついていてはさむ生地をいためにくいところも好きです。

ペンシースもお気に入りで、ペンが常に触れている部分のシボがなくなってしまうほど使っています。 10年くらいは使っているでしょうか。これはもう販売していない伊東屋オリジナルのペンシースですが、現行品では『ROMEO オイルキップペンケース』がおすすめです。
モノゼロのノック式消しゴムを選んだ理由は、ラミー2000とカラーリングが合っていたから。2本並べても違和感がなく、使い勝手もいいので気に入っています。


今気になっている万年筆 
『パーカー デュオフォールド』


やっぱりデュオフォールドは憧れですね。
伊東屋モデルが欲しいなと数年前から思っているのですが、まだ叶っていません。
ガンガン使ってもへこたれない丈夫なペン先、ボディも頑丈でハードユースにも耐えてくれる安心感があります。いつかはお迎えしたいですね。
※オンラインストアでは現在伊東屋限定デュオフォールドはお取り扱いしておりません。ご了承くださいませ。

天冠の「伊」マークは、1930年竣工の伊東屋ビルに使われていた看板デザインなんです。
実はその看板の現物を、銀座本店G.Itoya 11階で展示しているんですよ。機会がありましたら、こちらもぜひ見に来ていただきたいです。

おわりに

使い込んで愛着が持てるものを選びたいので、ペンを選ぶ際にもそれを基準にすることが多いです。
また、仕事上、いろいろなペンの特徴を知っていたいので、気に入った同じものをたくさん買うよりは多様な商品を試したいと思っています。

今回は私が実際に使っているペンをご紹介したため、今はもう廃番になってしまっているものも何本かありましたが、お仕事用のペン選びに、少しでも参考になれば嬉しいです。