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万年筆のお手入れ


万年筆はペン先を育てていくだけではなく、洗浄やインクの入替えといったお手入れをすることで、愛着を持ちながら永く使える"あなたの万年筆"になります。

こちらのページでは万年筆のお手入れ方法の画像付きの解説、万年筆を使う際によくあるご質問や対処法をご紹介します。

インクの入れ替えについて

① 胴軸を外し、ペン先側の挿し口にカートリッジインクをまっすぐ装着する。

② すぐにインクが出てこない場合は、ペン先に水をつける(呼び水)。

③ さらに、カートリッジの後ろの方を何度か押す。

④ 最後に胴軸に戻してネジを締める。

万年筆の洗浄について

① ペン先からカートリッジインクを外す。(この時ペン先を上に向けた状態で外すとインクが飛び散りにくいです)

② ペン先を水に入ったコップに浸け置く。(一晩程でインクが溶け出てきます)

③ ペン先をコップから引き上げた後、首軸からペン先に向けて流水を通して内部に残ったインクを出し切る。

④ 布などでペン先の水分をふき取り、自然乾燥させる。

ボトルインク (コンバーターを使用)

インクの入れ替えについて

① 胴軸を外し、ペン先側の挿し口にコンバーターをまっすぐ装着する。

② 後ろのネジ部分を左(反時計回り)に回し、中のピストンを一番下まで下げる。

③ ペン先をインク瓶に浸し、今度はネジ部分を右(時計回り)に回して中のピストンを上げる。

④ インクが上手く入らない場合は、首軸の少し上までインクに浸す。(ペン先の浸し具合が浅いと空気しか入らないのでご注意ください)

⑤ 首軸についた余分なインクを布でふき取る。(ペン先裏のペン芯やスリット部分に触れるとインクが出てきてしまいます)

【Tips】インクをふき取る物は、手ぬぐいなど毛羽立ちの少ない布を使用するのがおすすめです。

⑥ 最後に胴軸に戻してネジを締める。

万年筆の洗浄について

① コップと水を用意する。胴軸を外し、コンバーターの最後部のネジを左右に回して水の出し入れをする。

② ある程度インクを洗い落とせたら、コンバーターを外す。(このとき、ペン先を上に向けた状態で外すとインクが飛び散りにくいです)

③ ペン先を水の入ったコップに浸け置く。(一晩程でインクが溶け出てきます)

④ インクを完全に洗い落とすために、再度コンバーターで水を出し入れし、コンバーター内の水の色が透明になるまで繰り返す。

⑤ ペン先をコップから引き上げた後、首軸からペン先に向けて流水を通して内部に残ったインクを出し切る。

⑥ 布などでペン先の水分をふき取り、自然乾燥させる。

吸入式万年筆とは

胴軸最後部の「尻軸」を回転させ、インクを胴軸内に直接吸入して使用する万年筆です。
※吸入式万年筆は首軸と胴軸ははずれません。カートリッジインクやコンバーターはご使用になれませんのでご注意ください。

インクの入れ替えについて

① 胴軸を持ったまま、最後部の尻軸(つまみ)を左(反時計回り)に回転させて、画像のように内部のピストンを一番下まで下げる。


※尻軸を強い力で回したり、回し過ぎると破損の恐れがありますのでご注意ください。

② インク瓶にペン先を浸す。尻軸を右(時計回り)に回転させて、画像のように内部のピストンを上げながらインクを吸入する。

③ 布などでペン先についた余分なインクをふき取る。

万年筆の洗浄について

① コップと水を用意する。ペン先を水に浸した状態で、胴軸を持ったまま尻軸を左右に回転させて、水の吸入と排出をし洗浄する。


※尻軸を強い力で回したり、回し過ぎると破損の恐れがありますのでご注意ください。

② 万年筆からインクの色が出なくなるまで、①を繰り返す。

③ コップから万年筆を引き上げ、ペン先を流水ですすぎ残ったインクを洗い流す。

④ 布などでペン先の水分をふき取り、自然乾燥させる。

万年筆の「こんなときに」(よくあるご質問)

「万年筆にまだインクが残っているはずなのに、インクが出なくなった」

ペン先の乾燥(ドライアップ)によってインクが固まっている可能性があります。まずはペン先に水をつけてみてください。インクが溶け出てきたり、そのまま書き出せるようになれば問題ありません。

水につけてもインクが出てこない場合、別の不具合の恐れもありますのでお店にご相談いただくことをおすすめします。

万年筆を拭くもの

毛羽立ちの少ない布がおすすめです。
ティッシュペーパーは繊維が残り、ペン先に付着して詰まるなどの恐れがあります。

また、万年筆のボディ(軸)に用いられる樹脂はアルコール成分に弱いため、ご使用はお控えください。水で湿らせた布などで優しく拭き取りましょう。

万年筆の持ち運び方

振動によってペン先からインクが漏れ出る可能性があります。万年筆を持ち運ぶ際には、出来るだけペン先を上に向けた状態にしておくことをおすすめします。
デスクなどの固定されている場所に置く際は横向きに置いても大丈夫です。

また、気圧の変化によってインクが漏れ出る可能性があるため、飛行機内への持ち込みの際は万年筆にインクを入れず、空の状態で持ち込むのがおすすめです。

キャップ内のお手入れ

ペン先回りに付着していたインクなどが、キャップ内に溜まることがあります。そのままにしておくとご使用の際に手や服を汚してしまったり、万年筆の故障のトラブルにもなります。
キャップ内を水で湿らせた綿棒などで拭き取り、定期的にお手入れすることをおすすめします。