1. TOP
  2. イベント一覧
  3. K.Itoya 3階 ファーバーカステルアカデミー at Itoya 2023年度体験講座レポート 9月2日(土)~20日(水)
3F:OFFICE 文房具

K.Itoya 3階 ファーバーカステルアカデミー at Itoya 2023年度体験講座レポート 9月2日(土)~20日(水)

09月 2日(土)~09月20日(水)

20230901_K3_FCAreport_01.jpg
■ファーバーカステルアカデミー at Itoyaとは
「ファーバーカステルアカデミー at Itoya」は、ファーバーカステルと伊東屋が共同で運営するアートスクールです。
ファーバーカステル社の高品質な画材を使い、現地での研修を受けた講師より観察力、表現力を学び、感性を高め、絵画を通して自己表現できることを目指します。
美しいと感じる心、表現したい気持ちをかたちにすることができる場、それが「ファーバーカステルアカデミー at Itoya」です。

10月からの本講座に先駆け、伊東屋では1時間半でアカデミーの雰囲気を体感できる体験講座を開催しています。
ファーバーカステルアカデミーに興味はあるけれどいきなり全10回の講座に申し込むのはハードルが高そうだと感じた方や、絵を習うという体験が初めての方、ひとりではなかなか難しいレベルアップの機会にもおすすめです。

本記事は「絵は好きで描くけれど趣味の範疇...」というレベルの伊東屋スタッフがこの体験講座に実際に参加し、皆様にその魅力をお伝えするレポートとなっております。

体験講座では実際の講座を担当している講師による指導を受けることが出来ます。今回も2名の講師の方の講座を受講してきました。

【山本水葱(なぎ)先生】
はじめに美術予備校の講師も務めていらっしゃる山本水葱先生の講座を受けました。
モチーフとの向き合い方、ご自身の作品のテーマについてお話していただきました。
広い教室に早くも紙と画材の匂いがただよって、背筋が伸びました。

20230901_K3_FCAreport_02.jpg

さて、今回描くものはガラスのコップと球。
私はこのモチーフの登場に正直ウッと思いました。透明なものやパースの狂いがわかりやすいモチーフは、趣味の簡単お絵かき人間としては苦手意識があり避けていたのです。

20230901_K3_FCAreport_03.jpg

カッティングの入ったコップを、明度(明るいところと暗いところ)の差を使って表現していきます。
まずは藍色の有色紙に白のパステルペンシルを使って形をとらえていきます。
絵は白い紙から始まるという固定観念がくつがえされてわくわくする一方、きれいな楕円形を描くのもなかなか簡単ではありません。

最初の一筆はやはり緊張しましたが、手順ごとに丁寧に解説してくださいます。先生のお手本を見て、実践を繰り返すためつまずくことなく進むことができました。

明るい部分は白、暗い部分は紺色で光と影を描きこみます。
目を細めながら強い光の印象をとらえ、手を動かしつづけるとだんだんガラスに見えてくる...!
近づいてみるとざっくりした線も多いのに離れてみるとなんともリアル。
先生が光や影のかたまりが散らばっていく様子を「ほどけていく」と言われたのが、なんて文学的で素敵な表現だろうと思いました。

集中しているとあっという間に過ぎ、講評タイムです。出来立てほやほやの絵を解説されるのはなんだか照れてしまいますが、自分で描いた絵なのに解説を受けることで解像度が上がったような気がします。

楽しみながらもしっかりお勉強できて、大満足の1時間半でした。

20230901_K3_FCAreport_04.jpg

【岩村マグダレーナ先生の講座】
次にドイツ生まれの岩村マグダレーナ先生の講座を受けました。
冒頭では、ファーバーカステルアカデミーの成り立ちを教えていただきました。

こちらも明度、光と影の表現を教えていただきます。
クリーム色の紙に黄色のピーマンを3つ描いていきます。
(受講した日によってモチーフは変わります)

描く前にと配られたのはなんとアイパッチ(貼るタイプの眼帯)!
両目でものを見ると立体的には見えるが、平面の絵を描こうとするとブレが生じて混乱してしまう。ゆえに片目を封じて描くのだそう。

構図を決めたら思い切ってスタート、モチーフを描かずに影を描くことを意識します。
絵を描くときには何を描いているかあまり考えないようにと言われて、なんとも難しい...。

山本先生の講座とはまた違った、自由で手探りといった雰囲気なのですが、迷っていると先生がそっと近づいてアドバイス。指導にしたがって線を足すと突然「らしさ」が現れます。
輪郭は描いていないのに、紙面にピーマンが浮かび上がってきました。

20230901_K3_FCAreport_05.jpg

1時間後、受講者4名の絵を見比べると、線の引き方、コントラストの強さ、構図の取り方のすべてに個性が現れていました。
同じモチーフを見て描いたとは思えない、でもどれもしっかりとした存在感のあるピーマンでした。難しい抽象画などではなく、1時間の静物画だけでもこんなに自己表現ができるということに驚きです。
講座終了後にはほかの参加者の皆様の作品を見てお話するのも楽しいひとときで、楽しかった!の声とともに解散となりました。

20230901_K3_FCAreport_06.jpg
(二つの講座で使用した画材「パステルペンシル」)

■最後に
新しい画法を学んだことはもちろん、それ以上に絵を描くことの楽しさが実感できる充実した時間になりました。どちらも光と影を題材にした講座でしたが、先生によってこんなにもアプローチが違うという点も見逃せません。

集中して絵に取り組んだことによる達成感と程よい頭の疲労感で、その日の夜はよく眠れました。

以上、ファーバーカステルアカデミー体験講座レポートでした!
お読みいただきありがとうございます。
9月1日からは2022年度生の作品展も開催しておりますので、ぜひK.Itoya 3階にお立ち寄りくださいませ。
体験講座は専用サイトからお申込みが可能となっております。

■2023年度ファーバーカステルアカデミー体験講座のご案内

9月2日(土) 10:30~12:00(講師:岩村)/ 13:30~15:00(講師:山本)
9月19日(火) 10:30~12:00(講師:岩村)
9月20日(水) 10:30~12:00(講師:山本)

講師:岩村マグダレーナ/山本水葱
※お申込み頂く回によって担当講師が異なりますのでご注意ください。

対象:高校生以上
参加費:2,750円(税込)
定員:各回6名 ※9月2日のみ定員4名となります。
開催場所:K.Itoya 3階
専用サイトからお申し込みいただけます。(外部サイトが開きます。)

ファーバーカステルアカデミー at Itoya 2023年度体験講座レポート
開催期間:2023年9月2日(土)~20日(水)
時間:10:30~15:00 ※最終日は15:00までとなります。
場所:K.Itoya 3階