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文房具な人々 藤原弥生さん

Stationery lovers


自分で作ったものを売って生活したい
現在、市場にはたくさんのポストカードが出回っている。デザインや種類が豊富で、手紙のように格式張らず、気軽にかけるのがポストカードの魅力といえるだろう。藤原弥生さんは「7 days cards(セブンデイズカード)」というブランド名のポストカードを25年以上にわたって作り続けている。制作から卸しまですべて1人で手がける藤原さんに、今回は「7 days cards」が生まれた背景についてお話を伺った。

「まず、自分で作ったものを売って生活したいという思いがありました。ちょうど学園紛争が終わった、1970〜74年に大学に通っていて、“ロック”の時代だったんです。ヒッピー文化というか、みんな世界に出て行って、自分で作ったアクセサリーを路上で売っているような。70年代に受けた影響が今でも強く残っているので、そこが私の原点といえるんじゃないかな」

大学を卒業した当時は、学園紛争の影響もあって就職口も少なかったため、海外に旅に出たという。友人を頼ってパリに渡った後、ロサンゼルスへ。西海岸に位置するベニスビーチの街を訪れると、そこは海岸沿いで毎日フリーマーケットが開催されている「ヒッピーの街」だった。

「海岸には自分の作品を売っている人、トラックの上で白いグランドピアノを弾いている人・・・いろいろな人がいて、それが全部パフォーマンスになっているんです。それを見て『私も好きなことをやって生きていきたい』と強く思いました」海外への旅で刺激を受けて帰国した藤原さんは、「7 days cards」誕生へとつながる版画を習いはじめる。

思いを実現するには行動あるのみ
大学卒業後、名古屋の実家に戻った藤原さんは、学生時代を過ごした東京を離れて寂しさを感じたのだという。「友人や好きな人たちに毎日手紙を書きたい」という気持ちから、ポストカード作りを思い立った。

「実は第一作目から売っているんですよ。今考えると図々しいけれど。(笑)。おしゃれな青山のキラー通りにあるお店に持ち込んで、置いてもらいました。毎日いつでも書けるという意味で「7 days cards」と名付けたんです。ロゴとしての強さもあり」

1980年に生まれた「7 days cards」は、シルクスクリーンという手刷りの版画で作られ、7枚1セットを1500円で販売していた。ただし、この方法では生活できるほどの収入が得られないとわかり、1982年から一度にたくさん印刷できるオフセット印刷のカードを作りはじめる。価格は今と変わらぬ1枚150円。

「ポストカードを作って売って生活すると私が言うと、みんなに『絶対に無理!』と意見されました。でも、お豆腐屋さんは1丁100円くらいの商品を売って、家族で楽しく生活しているのだから、できないことはないと思って。人にダメと言われて余計に奮起しましたね(笑)」

デザインを考え、印刷所に発注し、できあがったポストカードを店に卸す。すべての作業を1人で行う藤原さんのスタイルは当時から現在まで変わらない。

「自分の好きなお店にカードを持って売り込みに行きます。まず自分が『好き』だと思えるお店を探します。自分のつくったものが、そのお店に並んだ様子を想像して、いい気持ちになれるところを選んで売り込んできました。」

銀座・伊東屋で「7 days cards」を扱うようになって約20年。それも藤原さん自らが電話をかけて売り込みに来たのがきっかけだった。

軽く使いやすいのが一番!

藤原さんが愛用しているスマイソンの手帳。1995年から毎年イギリスからメールオーダーで取り寄せているという。1日1ページのタイプだからスペースはたっぷり。スケジュールを書き込むほか、ポストカードの紙見本を貼り付けるなど、仕事をするうえで欠かせないアイテムとなっている。「紙は薄いけど裏移りしないんです。それにとっても軽いから持ち運ぶのにも便利」筆記具にこだわりはないそうだが、3色揃えたカランダッシュのボールペンはお気に入りだ。
「このカランダッシュも軽くて、ダマダマができないし、書きやすいんですよ。文房具は使いやすいものが好き。機能的だけれど、デザインされすぎていないものが好みですね」


ふじわらやよい/1952年名古屋市生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒業。

1980年より「7 days cards(セブンデイズカード)」のブランド名でポストカードの制作・卸しをはじめる。

2010年には、30周年を迎えた。
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